Menu Paper & Articles [Japanese]
トップページへ
藤野仁三の論文・論説(和文)
これまで雑誌や新聞に投稿してきた論説・論文を紹介(一部論説・文献についてはPDFを閲覧可)
米国判例紹介:ライセンス交渉の途中でも「実質的」紛争を認定−CAFC、確認訴訟の提訴要件を大幅に緩和−
掲載紙: LES JAPAN NEWS Vol.48, No.4
掲載日: 2008年3月
米国において特許訴訟のおそれがある場合、当該特許の非侵害・無効の確認判決を裁判所に求めることができる。この場合、当事者が紛争状態にあることが条件。従来、この条件つまり「争訟性」は、契約当事者間に契約違反や特許権者からの侵害警告状の受領などがあるときに発生すると解釈されていた。
しかし米連邦最高裁は2007年1月、MedImmune事件判決で特許ライセンシーに契約違反がなくても許諾特許についての確認判決を求めることができると判決した。この判決は昨年、本誌で紹介した(Vol.47,No.4,15ページ参照)。
この判決から3ヵ月後の3月、連邦巡回控訴裁(CAFC)はMedImmune判決によって従来の「争訟性」要件は否定されたとして、ライセンス交渉の途中であっても確認判決を求めることができるとする判決を下した。(SD Corp. v. STMicroelectronics, Inc. (Fed. Cir. 2007), March 16, 2007) 実質的に確認訴訟の提訴条件を緩和する重要な判決である。

原文はこちら


Copyright © 2008 Jinzo Fujino.net. All Rights Reserved.